Qualification Introduction「銀行融資診断士」資格紹介
銀行融資診断士
『初 級』
銀行の論理や行動基準を理解し、銀行と企業との距離を縮める
ことを目的とします
銀行と同じ立場で交渉を行うためには、まず相手の手の内を知っておく必要があります。銀行には銀行の論理や行動基準があるからです。
また銀行はお客様から会社の内容等に食い違いがないように、お客様に情報の提供を求めます。もし、企業が情報の提供に応じなければ、銀行は、融資を実行しないことができる立場にいます。しかし銀行は企業に対して融資の条件や背景をオープンにすることはありません。
つまり企業は求められるすべての情報を提出するのに対し、銀行は一切情報をオープンにしないのです。ここに情報の差が生じ、対等な立場で交渉を行うことが出来なくなってしまう状況が生み出され、事実上銀行が圧倒的な優位性を持つことになっています。
これが「情報の非対称性」と呼ばれるもので、中小企業の銀行に対する立場を弱くしている大きな要因の一つとなっています。
また現在の銀行員は多忙でバブル崩壊前のように足しげくお客様のもとに足を運び、事業を理解することで融資の判断を行う・・・このようなことがむずかしくなりました。
事業を理解できないためリスクを負うことが出来なくなり、担保や保証を前提とした事業実態に即さない融資が実行されるようになっています。
その結果企業側は過度な担保や保証を提供し、心理的拘束から逃れられず苦しむことにもつながっていますし、事業実態に即しない融資の影響で資金繰りにも影響を与えることとなっているのが現状です。
これらのことから企業側が銀行用語を理解し、銀行員でも理解できるように自ら積極的な情報開示を行わなければならなくなったのです。
そこで「初級」では、まず銀行独特の文化や商習慣、考え方などの目に見えない部分を可視化しながら、銀行との日々の取引や交渉を対等な立場で行えるようになるための知識とスキルを習得していきます。
銀行融資診断士「初級」 | |
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受験料 | 38,500円(税込) |
料金内容 | 学習用テキスト、講座動画受講ID、受験料込み |
銀行融資診断士
『中 級』
銀行に要求された資料を作成できるようになることを目的とします
銀行員と融資の話をしている時に融資申込から実行迄の銀行員とのやり取りを一人で完結できる状態です。もちろん融資金額や融資の申込内容によって銀行に提出する書類が違ってきます。
中級レベルの融資内容は1回の融資申込金額が1億円以内運転資金や設備資金になります。また、その融資の保全(担保)は連帯保証人と信用保証協会付融資がメインで取組むケースが該当します。
融資の申込から実行までには5つのステップがあります。『銀行員との面談』『簡易的な提出資料の作成』『審査過程における銀行員とのコミュニケーション』『融資実行後の資金管理』です。
1)簡易的な提出資料の作成
資金調達をスムーズにするためには銀行員との面談の時に、簡易的な資料とは決算から3ヶ月を経過している場合は試算表、資金繰り予定表、3ヶ年の損益計画書を提出すると融資実行までのリードタイムが短縮されます。
2)審査過程における銀行員とのコミュニケーション
銀行員は融資先に専門用語を平気で使用します。もちろん彼らも悪気はないのですが、融資先は専門用語を随所に使われていると最終的には何の話をされているのか分からなくなります。そうならない為にも銀行員が何気なく使用している用語を理解することで融資の流れが把握で出来るようになります。
3)融資実行後の資金管理
銀行融資は実行後の資金管理が肝になります。損益の振返りと資金繰りの振返りになります。この2つ取組を継続的に取組むことで経営数字の仮説と検証の差が縮まるようになります。よく経営計画は『絵に描いた餅』と言われていますが、それは計画と行動の振返りをして改善活動をしていないから経営の精度が上がらないからです。
この取組をすることで劇的に財務内容が改善されると思います。なぜなら90%以上の会社がこの取組をしていないからです。
また、この1~3の流れを把握し、そこに銀行が融資先に対して取組んでいる格付の基本的な考え方を理解出来るようになると銀行や銀行員とのコミュニケーションを図るうえで非常に役に立ちます。
この取組みが出来るようになれば中小企業は会計事務所に頼らなくても自社で融資の対応が出来るレベルになります。会計事務所・中小企業診断士・行政書士・財務コンサルタント・保険セールスパーソンなどのコンサルタント系の人たちは、自信をもって資金調達を含む銀行融資全般の相談に対して説得力のある提案が出来るようになるレベルになります。
※中級を受験される場合は初級を合格している必要があります。
銀行融資診断士「中級」 | |
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受験料 | 55,000円(税込) |
料金内容 | 学習用テキスト、講座動画受講ID、受験料込み |
銀行融資診断士
『上 級』
銀行対策のプロとしてコンサルティングができることを
目的とします
対象者は会計事務所及び自立した財務コンサルタントを目指す人になります。
上級のレベル感は中級の取組に、①銀行の選択・②難易度の高い資金調達(資本性劣後ローン・他行肩代り融資・シンジケートローン)の組立て及び実行支援・③創業融資支援・④事業再生支援・⑤根拠ある経営計画の策定支援が付加されます。
また、銀行融資診断士は銀行融資という名称ではありますが、銀行融資は財務会計(過去)と管理会計(未来)の融合になります。財務会計の部分は中級コースで学ぶ財務会計になります。財務会計とは銀行的に表現するのであれば融資先の実態把握になります。
管理会計とは未来会計とも言われていますが経営計画策定及び資金繰り表の策定及び予実管理になります。平成26年9月11日公表の金融庁の方針(「平成26事務年度 金融モニタリング基本方針」)にも、『事業性評価に基づく融資等』が盛り込まれました。これを受けて、『金融機関は、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し(「事業性評価」)、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していくことが求められる。』と明記されました。
つまり、金融機関を監督する金融庁の方針が従来とは大きく変化したことになります。
『円滑な資金供給の促進に向けて』(平成27年7月発行)という金融庁のパンフレットにも、『金融機関が目利き能力を発揮して、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援することは、金融機関の果たすべき基本的な役割です。金融庁では、金融機関がこうした役割をしっかりと果たすよう、事業性評価に基づく融資等を促しています。』として、『自らの事業の内容や今後の見通し等について、金融機関によく説明・相談してみましょう。』と書かれています。
この動きから多くの時間が経過しましたがコロナ禍が沈静化していく令和5年以降からは事業性評価を通じた考えた融資の取扱いが本格化してきます。
融資先は今後の事業性評価融資の時代に備えて管理会計のスキルを身につける必要性がより高まったということになります。しかしながら融資先の多くは会計リテラシーが低く、管理会計の実務を実践できている中小企業は10%もないと言われています。
上級試験に挑戦していただきPDCAを中小企業自らで廻せるような会社の伴走支援が出来るコンサルタントに挑戦してください。
※上級を受験される場合は中級を合格している必要があります。
※上級については、銀行融資診断士協会までお問い合わせ下さい。